血糖値を下げるチアゾリジン薬の特徴・効果・効能・副作用
チアゾリジン薬は、インスリンの働きが悪くなっている人に、血液中のアディポネクチンという脂肪細胞から分泌されるホルモンを増やして、血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪でエネルギーとして使われるよう支援する働きをするとともに、肝臓でブドウ糖が作られる糖新生の働きを抑えます。
インスリンが効率的に働くようになれば、筋肉や肝臓でのブドウ糖のエネルギー変換効率がよくなります。
またの名を、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ (PPAR‐γ) 作働薬とか、インスリン抵抗性改善薬とも呼ばれます。
その効果には、性による差があり、女性にはむくみが起きやすいが少しの用量でも脂肪細胞に働きかけてブドウ糖の取り込みを増やして、血糖を下げる効果がみられます。
ただし、その代わりに肥満になりやすくもなります。
最初に商品化されたトログリタゾン(ノスカール)は、肝臓に障害を起こして死亡に至る例が続き、現在では、塩酸ピオグリタゾン(アクトス)だけが商品化されています。
肝障害の報告はされていませんが注意は必要です。
主要な副作用には、むくみや貧血があり、これは腎臓でのNaの再吸収を強めるためだと考えられています。
その他、脂肪細胞の分化を促進し、骨芽細胞を減少させるため、骨粗しょう症による骨折のリスクも懸念されています。
むくみが大きく懸念されているため、心不全の心配がある患者には使えません。
また、体重増加の傾向があるので、合わせて食事療法で体重のコントロールが必要です。
効能
脂肪細胞は、エネルギーを脂肪として蓄えておくだけではなく、様々なホルモン分泌を行ないます。
その分泌に異常があると、代謝に大きくかかわってくると言われ、最近注目されています。
肥大し中性脂肪を溜めこんだ脂肪細胞からは、悪玉アディポサイトカイン、中性脂肪が少ない細胞からは善玉アディポサイトカインというホルモンが分泌されており、善玉はインスリンを活性化する働き、血圧上昇の抑制、血管修復などの機能を有しますが、悪玉はインスリンを弱めて糖代謝を阻害します。
肥満が進むと、通常バランスがとれている悪玉と善玉の調整が効かず、悪玉アディポサイトカインが過剰になり、高血圧や動脈硬化も促進し、糖尿病を発症させる原因になります。
チアゾリジン薬は、
- 脂肪細胞を小型に分化させ、インスリン感受性を増強させる
- 悪玉アディポサイトカインの過剰分泌を抑制して、インスリンの効果を上げる
という効果があります。
ビグアナイド薬が肝臓に作用するのに対し、チアゾリジン薬は、脂肪細胞や筋肉に作用する異なった薬といえます。
食事療法や運動療法ができているのに、血糖コントロールがうまくいかず、インスリンの働きが悪く高血糖になっている人に用いられます。
肥満の見られるU型糖尿病の方や、肥満でなくても血糖改善が必要な場合に効果的です。
副作用
- 体重増加傾向がみられため、食事療法できちんとコントロールが必要です。
- 肝機能障害の可能性がありますので、定期的に肝機能検査を受けてください。
- 体がむくみやすくなりますから、心不全の傾向がある場合は、使えません。
体重増加は、チアゾリジン薬によって脂肪細胞が分化して小型脂肪細胞の数が増え、その脂肪細胞に脂肪が蓄えられて大型脂肪細胞に変化して体重増加につながる、あるいはむくみによって体の水分が増え、それがその分体重になると考えられます。
このように肥満なりやすい傾向があり、肥満傾向が進行しやすいため、食事や運動療法を徹底し、定期的に体重測定を行うなどコントロールすることが必要です。
肝機能障害は、肝臓の働きが弱っている人には、GOT,GPT,γGTPなどの肝機能に関する数値の上昇がみられる可能性がありますので、こちらも定期的に肝機能検査をしましょう。
体のむくみは、男性よりも女性の方が3倍の発現率になり、ひどくなると指で押した跡が残るようになります。理由は、腎臓へのインスリンの影響が強く出て、水分が体外に出にくくなり、体内の血液が増えてしまうからだと考えられています。
この血液量増加は心臓への負担になりますので、心臓疾患を持つ方には特に注意が必要です。
チアゾリジン薬の注意
肝機能障害をきたす事もあるので、可能な限り、定期的に肝機能検査をし、そして少しでも異常がみられた場合、チアゾリジン薬の使用を中止することが大切です。
チアゾリジン薬は、骨粗鬆症だったり膀胱癌のリスクも高めると言われることがあるとされますが、その危険性はどうやら少ないようです。心配な人は、念のため掛かり付けの医師に相談すると良いでしょう。
そもそもチアゾリジン薬とは?
高血圧の皆さん、『インスリン抵抗性』といった名詞をご存知ですか?
この言葉は、すい臓からしっかりインスリンの分泌されているにも関わらず、その働きが十分に発揮されない状態で、血糖がなかなか下がらない状態を差します。
チアゾリジン薬は、主に脂肪細胞に作用するため、肥満体質の方に使用される事が多いですが、肥満ですと、脂肪細胞が中性脂肪を沢山溜め込んで肥大していきます。
その肥大した脂肪細胞が、インスリンの効きを悪くし、糖の代謝を邪魔する成分が分泌されてしまいます。こういった理由の為に、インスリン抵抗性が起こるんです。
管理人が自力で血糖値285を136にしました。
下げてしまってから、それを維持することも忘れずに!
私が意識してやっていることをお伝えします。
一助になれば幸いです。

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